父親が珈琲豆を挽いている。その香りと音で目が覚めた。

父「珈琲飲むか?」

自分「いただきます」

年を重ねれば重ねるほど両親の存在の偉大さを痛感し、昔は家族らしく敬語なんか使わなかったが、大人になるとそれも妙な感じで敬語を使うようになった。父の淹れた珈琲は単純な旨さを越えて、美味しかった。

ここ日田は空気も水も美味しい。空気と水がおいしければ五感の満足に繋がる。それは幸福の感覚だ。空気が綺麗でないと良い景色もかすんでしまう。大阪、特に市内はもはや表現不可能な悪臭にまみれていてきつい。音もうるさい。騒音悪臭発生施設パチンコやの前で自分の前を歩いているおじさんが歩きタバコをして排水溝にタバコをポイ捨てするシーンなんかもう悪の刺激が強すぎて心が痛む。だいたい外でタバコを吸う人間はなぜか風上にくるんだ。本町なんかは特にひどい。あの駅に朝降りたってゾンビのように出社することを30年続けるのは無理(幸福の感覚じゃない)だ。

話をもとに戻す。

昨日の阿蘇もそうだが、九州は流れる時間、空気が穏やかで心が洗われる。自分のルーツがここにあるからか?とにかく精神的に落ち着く。おそらく人口密度がちょうど良い感じなんだろう。人口過密な環境で暮らし、働き続けることは自分には無理だと気づいたので環境を変えたいと考えた、というのもこれからの自分の方向性を決定付ける少なからぬ理由の一つである。そんなことを考えながら珈琲を飲んだ。

朝のドラマ「半分、青い」。母は昔から朝ドラが好きだった。朝ドラも最終週となり、震災やいじめなど新たな要素がさらに投入され、少し散らかり気味だったが、うまく収束するのだろうか。秋風先生のとこで漫画修行してた時代が一番面白かったななどと考えながら荷物の支度を進めて、墓参りに行った。

墓参りでは先祖への感謝、自分の決意、加護願いなど含め今までよりも内容のある参りができたと思う。少しずつ大人になっている気がした。深い内面の旅、安全第一で世界の拡大に努めたい。

父親はゴルフに行ったから、日田駅そばの寶屋でばあばと母と昼食を食べた。チャンポンの美味しい店でまたいきたい。ぼくは鯉こくとすき焼き丼定食を食べた。ここはご馳走させてもらったが、それを越えるお小遣いを母とばあばからいただいた。大切に使わせていただきます。

ここで一旦お別れし、レインボー阿蘇へ向かった。

今日ももうひとりのしょうへいくんは元気一杯だ。

三味線の音が軽快に響く会場につくとひときわ運動量の多い、黄色のレインウェアを着た男が踊っている。一瞬でわかった。せきしょうだ。あいにくの天気ではあったものの、アーティストの登場にあわせて雨足は弱くなる。何かやはりパワーを感じた。マゼノ共和国のパワー?人のエネルギー?あるいは押戸石の力・・・?

ここで一段と自分の好きなアーティストを発見。houさんだ。

感じるように踊っているのはライオンこともうひとりのしょうへいくん。劇団魔法使いの方だ。

~hou~
宮崎生まれ。音楽家。
大地かおる声、風と包む言葉。森羅万象を讃えるように、宇宙に響くように、踊るように、祈るように、歌う。
ときに優しく、ときに熱く、ジャンルを越えて、色んな芸術家たちと、その時のその場を変幻自在に愛であげながら、音の旅を続けている。
ヒト科の進化を見つめながら。

歌声が気持ちよく、染み渡った。これから注目したい。

続いて、大トリ「犬式」がいよいよ始まる。その直前。せきしょうは言った。

「この瞬間にここにいるということが大事だよね。」

いよいよ始まる。

地球のいろんなところで遊んできてとがったアルパインクライミングからハードなアドベンチャーレースまでこなす感覚の研ぎ澄まされた人の放つ言葉は説明不要な強さがあり、この瞬間を楽しもうと改めて思わせてくれた。

犬式のパフォーマンスは圧巻で、祭最大の盛り上がりを見せた。ただ雨足もそれなりで、焚き火がなければ低体温症になっていたかもしれない、それくらい気温が下がってきたため、ぼくらはFUGA(レンタカー)で杖立温泉の「元湯」に向かうことにした。出発前に腹も減ったので、焚火を囲みながら「タンドリーチキンwithライス/¥600」をいただいた。他にもそういう人達がいて、見ず知らずの人達がひとつの焚火を囲んでごはんを食べながら談笑している。人間の原風景をみたようで、良い光景だと思った。

杖立温泉「元湯」は無料ではいることのできる川辺の温泉で、源泉掛け流しである。

豊かな湯煙。

到着したのは21時頃で最高の温泉体験となった。もちろんこんな時間に温泉に入りに来る人などおらず例によって男二人の悲しき混浴の独占である。

そばにある絵馬のたくさんかかった橋。

雨足も弱まり、テントに帰る前に深夜の押戸石に向かった。

シュメール文字が刻まれた石群。

中秋の名月ということもあり先客がいるかと思ったがだれもいなかった。深夜の押戸石は一段と魅力的な不思議さに包まれ雲海も広がり、幻想的な風景を広げていた。

ヘッドライト2個でつつましくライトアップ。

翌日は旅の最終日。同じく朝4:00起きで登山予定だ。
ぼくらの遊びは決して夜更かしはせず、お酒もあまり呑まない。

早めに寝て早起きしてMAXで遊ぶというもので合理的だ。

こんなバランス感覚も、大人だと思った。

遊びをせんとや生まれけむ。ホモルーデンスとして究極完全体を目指す二人は静かに寝袋に入った。

カテゴリー: TRIPs in JAPAN

たかくら3

たかくら三兄弟の三男坊。